生きるとは魂の歓びをキャッチすること②

第2回 あなたの身体は、あなたの生き方を知っている

朝起きた瞬間から、

「今日も仕事か……」

と思う。

眠いけれど起きる。

朝ごはんを食べる時間もない。

お昼は仕事の合間に急いで食べる。

夜は疲れて、料理をする気力もない。

加工食品や外食で済ませて、帰ったらそのまま寝る。

そんな毎日を送っていませんか?

もちろん、仕事も大切です。

家族も大切です。

やらなければならないこともあります。

でも、ふと立ち止まって考えてみてほしい。

私は、いつから自分の身体を後回しにすることが

当たり前になったんだろう?

私は、健康について考えるとき、

この問いをとても大切にしています。

身体は、毎日の選択を受け取っている

私たちの身体は、

今日食べたもの。

今日眠った時間。

今日どれくらい身体を動かしたか。

どれくらい休んだか。

どんな毎日を過ごしているか。

そういう一つひとつの影響を受けています。

食事から得た栄養素は、エネルギーをつくったり、

身体の組織をつくったり、

身体のさまざまな機能を支えたりしています。

だから身体は、

「昨日何を食べたか」

だけではなく、

「私は毎日、自分をどう扱っているのか」

を受け取っているとも言えます。

私はここに、

健康を考える大きなヒントがあると思っています。

「何を食べるか」の前に、「どう生きているか」

健康について考えるとき、

「何を食べたらいいですか?」

と聞かれることがあります。

もちろん、食事はとても大切です。

でも、その前に見てほしいものがあります。

それは、

自分の生活そのものです。

ちゃんと眠れていますか?

休めていますか?

食事を味わっていますか?

お腹が空いたことを感じていますか?

疲れていることに気づいていますか?

本当は嫌なのに、無理をしていませんか?

やりたいことを我慢していませんか?

人に気を使いすぎて、

自分の気持ちを後回しにしていませんか?

身体を整えるということは、

食べ物だけを変えることではありません。

自分の生活を見直すことでもあります。

身体の声を聞いてみる

私たちは、

身体からたくさんのサインを受け取っています。

お腹が空く。

お腹がいっぱいになる。

眠くなる。

疲れる。

喉が渇く。

身体が軽い。

身体が重い。

食べた後に心地いい。

食べた後に重い。

こうした感覚は、自分の身体を知るための大切な情報です。

でも、忙しく生きていると、

「今は忙しいから」

「これくらい我慢しなきゃ」

「仕事が終わるまで休めない」

と、身体の声を無視するようになります。

そして、いつの間にか、

「自分が何を感じているのかわからない」

というところまでいってしまう。

だから私は、

健康づくりの最初の一歩は、

身体を変えることではなく、身体に気づくこと

だと思っています。

身体を「人生の器」だと思ってみる

この身体があるから、

料理ができる。

仕事ができる。

人を愛することができる。

美しい景色を見ることができる。

美味しいものを味わうことができる。

好きな人と笑うことができる。

行きたい場所へ行くことができる。

新しいことを始めることができる。

つまり、身体は、

私たちがこの人生を体験するための器です。

そう考えたら、

自分の身体を粗末に扱いたくなくなりませんか?

私は、健康のために身体を整えるというより、

この人生をもっと味わいたいから身体を整える。

そんな考え方をお伝えしたいのです。

身体を大切にすると、人生の選び方も変わる

ここからが、

私が健康について一番お伝えしたいことです。

身体を大切にするようになると、

「自分を大切にする」

という感覚が少しずつ育っていきます。

今日は疲れているから休もう。

お腹が空いたから、ちゃんと食べよう。

身体が喜ぶものを選ぼう。

眠いから早く寝よう。

本当はやりたくないことを、

無理して引き受けるのはやめよう。

そんな小さな選択が増えていく。

すると、

「私はどうしたい?」

と自分に聞くことができるようになります。

これは、食事の話だけではありません。

人生そのものの話です。

「人に合わせる人生」から「自分で選ぶ人生」へ

このことに気づく前の私は、

周りの人に合わせること。

人に迷惑をかけないこと。

ちゃんとすること。

頑張ること。

そういうことを大切にして生きてきました。

でも、それだけを続けていると、

自分が本当は何をしたいのかが、

だんだん分からなくなっていきます。

人の期待に応えることが先になる。

仕事が先になる。

家族が先になる。

そして、自分の身体は最後になる。

でも、本当にそれでいいのでしょうか。

これまでの社会は、

自分を犠牲にして人を大切にすることと、

を美徳としてきました。

しかし、本来すべての存在が祝福されて生まれて来ます。

それぞれ同じ価値を持って生まれて来ているのです。

自分を犠牲にして人を大切にすることと、

自分を大切にしてから人を大切にすることは、

同じ与える行為でも結果が異なります。

満たされた人は自然に与えることができる

自分を大切にしながら、人も大切にする。

自分を生かしながら、相手も生かす。

そのためには、まず自分が自分の状態を知ることです。

自分の状態を知るために、

今日からできることとして、

何か一つだけ、

自分の身体に聞いてみてください。

「今、私は何を感じている?」

お腹は空いている?

疲れている?

眠い?

喉が渇いている?

少し休みたい?

本当は何を食べたい?

そして、

その声を一つだけ聞いてあげてください。

それだけでいい。

いきなり完璧な健康生活を始めなくてもいい。

自分の身体の声を一つ聞く。

そして、その声を大切にする。

それが、

自分の人生を自分で選ぶ練習

になります。

私は、

健康とは単に病気にならないことではないと思っています。

自分の身体を感じる。

自分を大切にする。

自分の望みを感じる。

そして、自分の人生を自分で選んでいく。

その先に、

「生きていてよかった」

と思える瞬間が増えていく。

それが、私が考える「健康」です。

次回は、

「食べたものは、どうやって私の身体になるのか」

について。

毎日何気なく食べている一食が、

身体の中でどんな旅をして、

私たちのエネルギーや身体の材料になっていくのか。

管理栄養士の視点から、少しずつ紐解いていきます。