生きるとは魂の歓びをキャッチすること⑩

第10回 生きる歓びを感じられる身体に戻す

「最近、なんだか毎日がつまらない」

「やりたいことはあるのに、身体がついてこない」

「休んでも疲れが抜けない」

そんなとき、私たちはつい、

「もっと頑張らなきゃ」

「気持ちを前向きにしなきゃ」

「人生を変えなきゃ」

と思ってしまいます。

でも私は、

これまで多くの生徒様と身体と食事について向き合ってきて、

人生を変える前に、

まず魂とつながれる身体に戻すことが

大切なのだと思うようになりました。

なぜなら、

私たちは身体を通してしか、

この人生を味わうことができないからです。

私たちは、この身体で人生を味わっている

朝起きて、

「今日は気持ちいいな」と感じる。

温かいごはんを食べて、

「おいしい」と感じる。

好きな人と話して「楽しい」と笑う。

料理をして、

「今日はこれを作ってみよう」と心が動く。

美しい景色を見て「きれいだな」と感じる。

誰かを愛して、誰かから愛されて、

「生きていてよかった」と思う。

こうした一つひとつの体験は、

身体を通して起きています。

脳も、神経も、筋肉も、内臓も、ホルモンも、

私たちが感じ、考え、動き、味わうために働いています。

そして、

その身体をつくっている材料の一つが、

毎日の食事です。

だから私は、

食事は単に

「健康になるためのもの」ではないと思っています。

食べることは、

この人生を味わう身体を支えることなのです。

栄養は、生きる歓びを感じる身体の土台になる

食べたものは、消化され、吸収され、

身体を動かすエネルギーになったり、

筋肉や血液、皮膚など身体の材料になったり、

身体のさまざまな機能を維持するために使われます。

脳も身体の一部です。

だから、脳が働くためにもエネルギーや栄養素が必要です。

「なんとなく元気が出ない」

「集中できない」

「身体が重い」

というとき、

気持ちの問題だけではなく、

睡眠や活動量、ストレス、食事など、

身体の状態が関係していることがあります。

もちろん、

食事だけですべてが解決するわけではありません。

病気が隠れていることもありますし、

専門的なケアが必要な場合もあります。

それでも、

毎日何を食べるか。

どう休むか。

身体の声をどう聞くか。

それは、毎日の身体の土台になります。

だから私は、

「健康のために正しい食事をしましょう」

ということだけを伝えたいのではありません。

食事を整えることを通して、

もう一度、

人生を感じられる身体に戻ってほしい。

そう思っています。

身体を犠牲にして、人生を頑張らなくていい

過去の私は、

「頑張ること」

「我慢すること」

「人の期待に応えること」

を一生懸命やってきました。

やらなければいけないことを優先して、

自分が疲れていても後回しにする。

本当は嫌でも、

「これくらい我慢できる」と思う。

自分の気持ちより、

周りがどう思うかを優先する。

そうやって生きていると、

身体の声が少しずつ聞こえなくなっていきます。

疲れているのに動き続ける。

お腹が空いているのに食べる時間を削る。

眠いのに頑張る。

本当は休みたいのに、

「まだ頑張れる」

と自分を動かす。

でも、

身体は人生を邪魔するものではありません。

身体は、

私たちが人生を生きるための大切なパートナーです。

だから、

身体を犠牲にして人生を頑張るのではなく、

身体と一緒に人生を生きていく。

私は、そんな生き方に戻っていきたいと思っています。

「戻る」ということ

私は、

身体を新しくつくり直す必要はないと思っています。

本当は身体には、

「疲れた」

「お腹が空いた」

「眠い」

「嬉しい」

「嫌だ」

「もっとやりたい」

という感覚があります。

そして、その感覚は、

私たちが自分の人生を選ぶための大切なサインでもあります。

ところが、

頑張りすぎたり、

我慢しすぎたり、

人の期待を優先し続けたりすると、

その小さな声が聞こえなくなっていきます。

だから必要なのは、

新しい自分になることではなく、

本来の自分に戻っていくこと。

身体に戻ること。

感じる力に戻ること。

「私はどうしたい?」

と自分に聞けるところまで戻ること。

それが身体を整えるということなのだと思っています。

身体に聞いてみる

では、

身体に戻るために何をすればいいのでしょう。

難しいことではありません。

まず、自分に聞いてみる。

「今、私は何を感じている?」

「身体は疲れていない?」

「本当は何が食べたい?」

「今日は休みたい?」

「何をすると心が喜ぶ?」

「本当はどうしたい?」

大きな決断をする必要はありません。

今日の夕食をどうするか。

今夜は早く寝るか。

少し散歩するか。

会いたい人に連絡するか。

やってみたいことを一つやってみるか。

人生は、こうした小さな選択の積み重ねです。

そして、

「私はどうしたい?」

と自分に問い始めることは、

自分の人生を自分に返していくことでもあります。

犠牲から、創造へ

私はこれから、

「頑張って、我慢して、誰かの期待に応えて生きる」

という生き方から、

「私はどう生きたいのかを、自分で選び、創っていく」

生き方へ移っていきたいと思っています。

身体も同じです。

身体を犠牲にして生きるのではなく、

身体と一緒に人生を創っていく。

疲れたら休む。

お腹が空いたら食べる。

身体に必要なものを選ぶ。

自分の感覚を取り戻す。

そして、

やりたいことをやる。

行きたい場所へ行く。

会いたい人に会う。

愛したい人を愛する。

自分の才能を使う。

そんな人生を、

この身体で思いきり味わう。

それが私にとっての健康です。

健康とは、「自分の人生を生きられる身体」に戻ること

健康というと、

病気にならないこと。

健康診断の数値を良くすること。

長生きすること。

そんなイメージを持つ人も多いと思います。

もちろん、それも大切です。

でも私は、

健康の先にあるものを、もっと大切にしたい。

それは、

「私はこの人生を生きている」

と感じられることです。

美味しいものを美味しいと感じる。

誰かと笑う。

好きなことに夢中になる。

新しいことに挑戦する。

誰かを愛する。

愛される。

自分の才能を使う。

誰かの役に立つ。

何かを創る。

行きたい場所へ行く。

やりたいことをやる。

そうやって、

「今日も生きていてよかった」

と思える瞬間を、少しずつ増やしていく。

そのために身体があります。

健康とは、

病気にならないためだけのものではない。

自分の人生を、自分で生きるための身体に戻っていくこと。

そして、

生きる歓びを感じられる自分に戻っていくこと。

私は、

それこそが人生の土台にあるものだと思っています。

今日の自分に聞いてみる

これまでに10回を読み終えた今日、

一度、自分の身体に聞いてみてください。

「今、私は何を感じている?」

「身体は何を欲しがっている?」

「本当は、何をしたい?」

そして、

「私は、どう生きたい?」と。

すぐに答えが出なくても大丈夫です。

自分に問いかけることそのものが、

自分との関係を取り戻す一歩になります。

今日の食事を、少し丁寧に味わってみる。

身体が喜ぶものを一つ選んでみる。

疲れていたら、いつもより少し早く休む。

やりたかったことを一つやってみる。

自分の気持ちを、一度否定せずに聞いてみる。

そんな小さなことでいい。

身体を大切にすることは、

自分の人生を大切にすることだからです。

10回を通して伝えたかったこと

この10回でお伝えしてきたのは、

栄養の知識だけではありません。

何を食べるか。

栄養素が身体でどう働くのか。

心と身体がどうつながっているのか。

自分を大切にする食べ方とは何か。

身体の声を聞くとはどういうことなのか。

その先にあるのは、

「私はどう生きたいのか」という問いです。

私は、

自分の身体を大切にすることから、

自分の人生の主導権を取り戻してほしいと思っています。

誰かが決めた「正しい人生」ではなく、

自分が感じ、

自分で選び、

自分の人生を生きる。

そのための身体に戻ってほしい。

そして、

ただ長く生きるのではなく、

この人生を、

「生きていてよかった」

と感じながら味わってほしい。

それが、

私がこの10回を通して伝えたかったことです。

健康は、人生の目的ではありません。

健康は、

自分の人生を生きるための土台です。

身体を整える。

自分を大切にする。

自分の感覚を取り戻す。

そして、

「私はどう生きたいのか」

を、自分で選んでいく。

その一つひとつの選択が、

これからの人生を創っていきます。

今日も、自分の身体に戻る。

今日のごはんを味わう。

今日の自分を感じる。

そして、

今日という一日を、自分の人生として生きる。

生きる歓びを感じられる身体に戻す。

その身体で、

自分の人生を、思いきり味わっていきましょう。